一人でもできる!ケアマネや利用者様に伝わる介護記録の書き方とコツ

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サービス計画書(ケアプラン)

 介護職員にも、ケアマネにも、管理者やリーダーにも読んで欲しい、モニタリングの始まり『介護記録』を、介護職員、ケアマネや医師・看護師、ご家族などに「伝わりやすく」するための取り組みについてご紹介するページです。

一人でもできる「伝わりやすく」するための取り組みですが、組織的にできるのであれば、それが一番です。ケアプランという「インプット」から始まり、介護記録などの「アウトプット」までの一連のサイクルを円滑に進めるためのものです。

このページでのゴールは、読んでいただけた介護に関係する方々に、より良いケアプランという道具の改善を図り、利用者様の人生の目的地へ、しっかり迷わず、サポートしていけるようになっていただくことです。

インプット部分
ケアマネも介護職員も『サービス計画書1』
利用者様の目的地と介護職員の行動方針!『サービス計画書1』の作り方
ケアプラン第1表ー現状が第2表サービス計画書2のニーズ(ゴール/課題)
サービス担当者会議(ケアカンファ)に最も必要な人材『現場介護職員』

アウトプット部分
モニタリング(アウトプット)の始まりは『介護記録』!重要ポイント5つ
上の5つの記事を読んでから、こちらの記事を読むことをお勧めします。

6W2Hを意識して、ケアやその根拠、判断基準、状況、様子、反応、発言、表情、変化などを書く

 介護記録を書くコツは、When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・Whom(誰に)・What(何を)・Why(なぜ)・How(どのように)・How much(どれくらい)といった、6W2Hを意識した文章を心がけます。

あなたが伝えたいことは「What(何を)」ですか

 最も重要な部分が「What(何を)伝えたいのか」という部分です。テーマとも、言い換えることのできる「What(何を)」の部分を、最初に明確にしておけば、作られる文章の脱線を防ぐことができます。

また、伝えたい「What(何を)」1つに対して、1つのまとまりにします。伝えたいことが2つある場合には、2つのまとまりに分けるのです。そうすると、分かりやすい文章を作ることができます。

伝えたいものが、ケアプランに沿ったケアサービスなのか、ケアプランにないサービスなのか。その時の状況、様子、反応、発言、表情、変化など、1つの「What(何を)」に関係するものは全て記載します。

登場人物は何人いますかWho(誰が)・Whom(誰に)

 比較的忘れられがちなのが、Who(誰が)・Whom(誰に)の部分です。誰が誰に行なった処置なのか、誰が誰にいった発言なのか、はっきりさせておかなければ、後々大きな問題になりかねません。

ボソッといったご家族の発言が、利用者様本人へ向けられたものなのか、介護職員など会社側に向けられたものなのか、その違いで、揉め事に発展することもあります。

また、薬や処置など、重要なことであった場合、大きな事故の原因にすらなり得ます。Who(誰が)・Whom(誰に)は、明確に記入しましょう。

伝えたい内容の中心にこともある When(いつ)・Where(どこで)

 事故が発生したのであれば、事故が発生した事実よりも、その場所の方が重要になることがあります。その場所自体に問題があるのであれば、改善しない限り、事故の発生リスクは無くならないからです。

同じように、時間が最も重要な伝えたい内容になることもあります。夕方になると帰宅を望むのか、朝方になると帰宅を希望するか、その違いで、どの年代で、どんな状況で、誰のために、何のために、どのような義務感から帰宅しようと考えているのか、全く異なるからです。

そのため、場所であれば、「キッチン」とか「浴室」とか曖昧な表現ではなく、「キッチンの入り口」とか、「浴室内の浴槽ふちのあたり」とか、より具体的な表現を心がけます。

また、「10:00 おやつの「あんこ玉」をお出しするとすぐに、涙を流しました。」「水で濡れた、キッチンの入り口」といったように、その時の状況や環境、様子なども一緒に記載します。

このように記載しておけば、「あんこ玉に何らかの思い出がある」とか、「水が原因だった」とか、仮説を立て、それを裏付ける情報を調査し、何らかの対応をすることができるようになります。

それを行った根拠・判断基準 Why(なぜ)

 ケアプランに沿ったケアサービスであれば、計画通りに行なっただけですので、必要がなければ、「介護記録」に根拠や判断基準は書かなくても大丈夫です。根拠などは、ケアプランなどに記載されています。

しかし、ケアプランに沿ったケアサービスを中止した場合、それ以外のサービスを提供した場合。もしくは、ケアプランに想定できないような出来事や会話などのような場面では、それを行った根拠や判断基準まで、記載する必要があります。

利用者様本人の希望で行ったのであれば、そのままその発言を記載。その際にはやはり、様子なども忘れずに書きます。

「寒いとの、ご本人様の訴えがあったため、カーディガンを着ていただきました。その際、背中部分はほんのり汗で濡れていました。」などのように書きます。

根拠や判断基準は、推測になることもありますので、注意が必要です。原則、事実情報を記載することになりますが、例外的にこのような場合には、推測でこのように判断したと書きます。

ケアプランのサービスを中止した場合の理由ですが、ただ単に忙しく、できなかった場合にも、その事実を書きます。何らかの事故があって、たまたまできなかったのであれば、変更や改善をする必要はありません。

しかし、できないことの方が多いのであれば、そのケアプランを、現時点で行うには無理があるということになります。人が足りないからなのか、業務を減らすなどの問題があるからなのか、まだそれを行うに必要な知識が、スキルに変わっていないので、訓練が先に必要なのか。

理由は様々あるかと思いますが、サービスはあくまでも手段。利用者様の人生の目的地やニーズ(ゴール)、目標に向かう方法は1つではありません。ですから、正直に書いてもらう方が、ケアプランの改善に役立ちます。

状況、様子、反応、発言、表情、変化と合わせて書くべき How(どのように)・How much(どれくらい)

 例えば、「お昼ご飯の準備の手伝いをするといい、キッチンの入り口へ向かいました。入り口部分は、床が濡れており、そこを通り過ぎようとした時に、後ろにひっくり返るように転倒。意識を失っていたので、頭をぶつけたのだと推測されます。そのためすぐに救急対応。意識を失っていた時間は、おおよそ5分間です。」

などのように、状況、様子、反応、発言、表情、変化に合わせて、How(どのように)やHow much(どれくらい)なども、しっかり記入します。

誰に:読み手を意識して書く

 介護記録の登場人物の、「誰に」とは別に、その記録の読み手を意識して、書く必要があります。介護記録は、ケアマネや管理者、看護師や医師、介護職員など様々な立場の人が読みます。

最も忘れてならないのは、利用者様本人やそのご家族です。介護記録は、自分のために書くわけではありません。利用者様とそのご家族のために書くのです。それを忘れてはいけません。

専門用語・略語を使わない

 利用者様本人やご家族など、読み手を意識して書くことにすれば、自ずと専門用語や略語は使わないようになります。

その常識は、どの立場にとってのものなのか、考えながら記入しなければなりません。できる限り、一般的な言葉を使い、略すことなく記入しましょう。

客観的に事実だけを書く

 介護記録は原則、客観的な事実だけを記載するようにします。例外として、すでに行ったサービスを提供した、根拠や判断基準などを記載しますが、その際、読み手が誤解のないよう、しっかり推測であることも記載します。

なぜこのように、「事実」と「推測」をしっかり分けなければならないのかというと、正しい「アセスメント(情報解釈)」を、阻害してしまうからです。

例えば、「おやつの「バナナ最中」をお出しするとすぐに、涙を流しました。」と事実だけ記載する場合と、「おやつの「バナナ最中」をお出しすると嬉しそうに、涙を流しました。」と記載する場合、かなり印象が変わります。

「バナナ最中」をお出ししたタイミングと、涙を流したことは事実です。しかし、「嬉しそうに」という部分は主観であり、推測です。読み手からすると、「バナナ最中」に、涙をするほどの良い思い出があるのかと、推測を急がせるような文章になってしまいます。

それを防ぐために、『おやつの「バナナ最中」をお出しするとすぐに、涙を流しました。何か良い思い出があるような様子だと推測しましたので、涙する理由を聞いてみたら、その理由をお話ししてくださいました。「当時バナナはまだ高価だったのだけど、食べたい食べたいと母におねだりしたの。すると次の日、母が「バナナ最中」を買ってきてくれて。けど子供だった私は、こんなのは偽物だといって家を飛び出し、本物のバナナを盗んでしまったの。それを理由に母が・・・」』

と回答してくれたとします。単純に「嬉しそうに」と、裏付けもなく解釈してしまったとしたら、大変な間違いをしていたことになります。この場合、確かに、昔を懐かしむような感情も読み取ることはできるのですが、どちらかというと、後悔の方が強いように感じます。

この情報は、「推測」だけで「嬉しそう」と結論づけてしまった場合には、得ることのできなかった情報です。

利用者様専用の刑事のように裏付け情報も探す

 上の「バナナ最中」の場合のように、「アセスメント(情報解釈)」には、しっかりとした裏付け情報が必要です。まるで刑事のようですが、介護という仕事は、命にも関わります。そのため、裏付け情報とセットで「アセスメント(情報解釈)」する必要があるのです。

命に関わらないことであっても、本気で利用者様の人生の目的達成や自立支援を行おうと思ったら、慎重な解釈が必要です。正しい情報を基に、正しい「アセスメント」ができれば、本当の「ニーズ」にたどり着ける可能性が上がります。

全く見当違いの、「笑顔」につながらない介護をしないためにも、「事実」か「推測」か、明確にしておかなければなりません。ケアマネや介護職員は、利用者様専用の刑事であるべきです。

ポリシー・ルールをチェックリストのように使うと介護記録の助けになる

介護記録をする際に守りたい「ポリシー」
伝わりやすい文章を心がける
ポリシーを守るための「7つのルール」
6W2Hを意識して文章を書く
読み手を意識して書く
専門用語・略語を使わない
客観的に事実だけを書く
「事実」と「推測」をしっかり分けて書く
できる限り裏付け情報を探し記入する
ポリシー・ルールをチェックリストにして介護記録をする

 ポリシーとは、方針のことをいいます。行動を統治して、ルールの基になる、抽象的なものです。もし会社に、しっかりとした行動方針があるのなら、ポリシーがある方が、より行動が安定します。軸や芯のような働きをするのがポリシーです。

ルールとは、規則のことをいいます。ポリシーを守るために、具体的にどうするのかといった、交通標識のような役割をするものです。

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